- 朝起きたら首や腰に痛みがある
- 肩こりがひどい
- ぐっすりと眠れない
- いびきがうるさいと言われる
- 枕の選び方がわからない
1日に始まりが辛いとモチベーションが一気に下がりますよね
寝起きに発生するこういった悩みの原因はいろいろありますが、そのうちの1つとして寝具があげられます
今回はその中でも特に影響が大きいと言われている枕の選び方についてお話していきます
この記事を読めば自分に合う枕が探せるようになり、様々な悩みの改善にもつながると思います
この記事のもくじ
枕はなぜ重要なの?
みなさんは真剣に枕を選んだことはありますか?
オーダーメイドの高級枕を買われている人もいると思いますが
おそらく多くの人は
- 値段が安いから
- 気持ち良さそう
私たちの人生の約3分の1は睡眠です
そして枕は大事な頭を預ける寝具
単純に「頭が乗ればいい」というものではありません
枕を選ぶことは、寝ている時間を健康に保つためにとても重要です
2つの時間
最近は健康志向の人がどんどん増えていますが、そのほとんどが起きている時の健康に関することで、寝ている時の健康について意識している人は非常に少ないです
起きている時間と寝ている時間はそれぞれ別のものではなく、双方がお互いに影響し合っています
片方の時間の不調は、もう片方の時間にも大きく影響してきます
自分に合わない枕ではたとえ10時間寝たとしても、なかなか疲れをとることができません
逆に寝れば寝るほど体に負担がかかり、朝起きた時の首や腰の痛み、肩こりの原因につながる可能性があります
起きている時間と寝ている時間の両方を健康に過ごすためにも、真剣に枕を選んで自分に合う枕を見つけましょう
今抱えている様々な悩みをきっと解決してくれるはずです
ではここから実際に枕を選ぶときのポイントについてご紹介していきます
自分に合う枕の選び方
枕を選ぶ時に押さえておきたいポイントは3つです
- 高さ
- 硬さ(素材)
- サイズ
枕の高さ
枕を選ぶときは高さに気をつけることが重要です
特に気をつけたいのは首の角度と、寝返りのしやすさ
正しい首の角度
正しい首の角度は仰向け姿勢で敷物から傾斜角10度前後
もっと簡単に言うと、立っている時の同じ姿勢で目線が真上(約90度)を向いている状態のことです
こちらのイラストをご覧ください▼
引用元:ふとんの川野辺
左から順に、低すぎる枕、高すぎる枕、理想の高さの枕です
首の後ろは空間ができやすいですが、頭と同時に首も乗せることで空間が埋まり、頭を支える筋力をしっかりと休めることができます
※このときに指2本分くらいの空間は残しておきましょう
寝返りのしやすさ
寝返りは血行が悪くなるのを防いだり体温調節を行うので、寝ている間の健康を保つ上で必要不可欠な行動です
肩の関節が柔らかい人は低い枕で寝返りますが、関節が硬い人は少し高い枕でないとうまく寝返りができません
仰向けの姿勢と同じくらい寝返りしたときの姿勢も大事なので
コロコロ自然に寝返りできて、横向きのときに体の軸が真っ直ぐになるような高さを選びましょう
低い枕
低すぎる枕はアゴが上がり頭に血が登ってしまうので、なかなか寝つけなかったり、起きたときにスッキリと目覚められなくなります
また、寝返りをするときに腰を持ち上げる必要があるので、余計な筋肉を使うことになります
現れやすい症状
- 不眠症
- 顔のむくみ
- 首の痛み
- 寝違い
高い枕
高すぎる枕はアゴが引けてしまい、肩こりになったり、首の骨である頚椎(けいつい)が無理な角度に折れ曲ります
その影響で首から腰まで続いている背骨も傾いてしまい、首や腰に負担がかかってしまうのです
また、寝返りをするときに肩を持ち上げる必要があるので、低すぎる枕と同様余計な筋肉を使うことになります
現れやすい症状
- 首や腰の痛み
- 肩こり
- 貧血
- 寝違い
理想の高さの枕
理想の高さの枕を使うことで正しい姿勢になり、首・肩・腰といった体への負担の減少したり、筋肉がほぐれて寝つきがよくなります
理想の高さで寝ることで寝返りもしやすくなり、同一の姿勢から解放されるので血流の促進にもなります
また、イビキの原因も寝る時の姿勢が大きく関わってきます
イビキとは呼吸をしたときに、空気の通り道(上気道)が狭くなっていることで発生する振動音のこと
枕の高さが合わないと首の角度が変わり、空気の通り道が狭くなります
正しい姿勢で寝ることで空気の通り道しっかりと確保できるので、イビキの改善にもつながります
また、横向きに寝ることもイビキ対策として有効と言われています
家でできる高さの合わせ方
本来は専門店に行って、プロに測ってもらうのがベストですが、仕事が忙しくなかなか足を運べない人も多いと思うので、家でできる高さの合わせ方を紹介します
まず、枕の高さは敷物から頭までの幅で決まるので、体格でほぼ決まるといえるでしょう
敷物から頭までの幅が狭い人が高さのある枕を使ったらアゴが引けてしまいますし、逆に敷物から頭までの幅が広い人が低い枕を使ったらアゴが上がってしまいます
この点を押さえてうえで、家にある枕で下のポイントをチェックしてみてください▼
- 頭を乗せた時、目線が真上を向いているか
- 首、肩、腰に違和感や負担を感じないか
- 寝返りするときに肩や腰を持ち上げず、自然にできるか
枕が高い場合の合わせ方
①で真上より下を向いている状態、つまりアゴが引けた状態になっている人は
大きめのタオルを畳んでグルグル巻いた、今使っている枕より少し低い「タオル枕」を作って、目線が真上を向くように高さを合わせてみてください
②、③の確認も忘れずに行いましょう
枕が低い場合の合わせ方
①で真上より上を向いている状態、つまりアゴがあがった状態になっている人は
タオルを重ねて高さをプラスして、目線が真上を向くように高さを合わせてみてください
②、③の確認も忘れずに行いましょう
理想の枕の高さと、使われている素材をメモしておくと、枕を購入するときの参考になります
枕を購入した後に高さが高いと後から調整できないので、心配な方は少し低めの方がおすすめです
少し低かった場合はタオルを乗せて調節が可能です
枕の硬さと素材
こちらに関しては好みや硬さの感覚も人によってかなり変わってきます
硬い枕
硬い枕は寝返りがうちやすいのがメリットです
寝返りが打ちやすいので肩こりにもなりづらいです
今使っている枕で寝返りしづらい方は、少し硬めの枕を選ぶのがおすすめです
デメリットとしてはアゴが引けた姿勢になってしまったり、良いポジション見つからずストレスに繋がることです
柔らかい枕
柔らかい枕は頭にフィットするのがメリットです
頭の形で悩んでいる方でも、枕がその形になってくれるのでゆったりとくつろぐことができます
今使っている枕でなかなか良いポジションが見つからないという方は、少し柔らかめの枕を選ぶのがおすすめです
デメリットとしては寝返りがしづらく、肩こりの原因にも繋がるので、寝返りが多い人は注意が必要です
おすすめの柔らかい枕▼
枕の素材一覧
枕に使われる素材はいろいろあり、それぞれ特徴も異なります
枕の素材の一覧▼
硬さ | 通気性 | 特徴 | |
---|---|---|---|
ポリエステルわた | 柔 | 普〜低 | ふんわり感、クッション性がある。 |
低反発ウレタン | 普〜柔 | 普〜低 | 適度に沈むのでフィット感がある。 |
高反発ファイバー | 普〜固 | 高 | 沈み込みが少ない。乾燥が早い。 |
ソフトパイプ | 普〜固 | 高 | 首の形状に合いやすい。熱や湿気がこもりにくい。男性に人気。 |
マイクロビーズ | 普〜柔 | 普 | 流動性が高く、首をしっかり支える。 |
高機能合繊わた・粒わた | 柔 | 普 | ホコリがたちにくい。女性に人気。 |
そばがら | 普 | 高 | 熱がこもりにくい。耐久性はあまり高くない。 |
羽毛・羽根 | 普〜柔 | 普 | ふんわり感、安定感がある。 |
シルク混わた | 柔 | 普 | 上質素材でふんわり感がある。 |
ウールわた | 普 | 普 | ソフトな触感。ウール好きの人に人気。 |
石 | 硬 | 高 | 熱がこもりづらい。 |
ひのきチップ | 硬 | 普 | ひのきの香りが良い。 |
他にもいろいろな種類の素材があります
※素材の名前が同じでも、商品によって硬さや特徴が異なってくるので、実際に商品ページの説明を確認してください
おすすめの素材
絶対にこれがいいというのはありません
例えば、頭が熱くなりやすい人は熱がこもりにくい素材、位置がなかなか合わない人はフィット感のある素材、といったように人によってベストな素材は異なります
また、ファッションと同じように枕にも季節によって適した素材があるので、夏用、冬用といったように複数持っておくのもありかもしれません
ただ硬さや素材にいえることは、好みを優先しすぎないほうがいいということです
なぜなら好みで選んだ硬さや素材が自分の体に合っているとは限らないので
悩み > 好み
で選んだ方が、のちのちに後悔することが少ないはずです
枕のサイズ
枕のサイズも悩みに合わせて選ぶと良いでしょう
枕のサイズ一覧
よく売られている枕のサイズ一覧▼
サイズ | 使う人 | |
---|---|---|
シングルサイズ | 43×63cm | 一般的な大きさで男女問わず使いやすいサイズ |
セミシングルサイズ | 35×50cm | 女性や子供向けのサイズ |
セミダブルサイズ | 50×70cm | ゆったりとくつろぎたい人向けのサイズ |
ジュニアサイズ | 29×40cm | 子供向けのサイズ |
ダブルサイズ | 43×120cm | 2人で寝る場合や寝返りが多い人向けのサイズ |
おすすめのサイズ
今使っている枕で特に問題がないという方は、基本的にはシングルサイズ(約63×43cm)で良いと思いますが
- 寝返りでよく枕から落ちる人
→セミダブルサイズ(約70cm×50cm) - 微調整したい人や小柄な人
→セミシングルサイズ(約50cm×35cm)
がオススメです
枕から落ちた状態で寝てしまうと、姿勢が悪くなるので体に大きな負担がかりますし、なかなか枕の位置が合わないとストレスがたまり、寝つきが悪くなります
シングルサイズしか使ったことがない人は、一度他のサイズを試してみるのもいいかもしれません
枕は適度に見直す
同じ枕をずっと使い続けることはおすすめしません
なぜなら、枕自体が劣化することももちろんですが、私たちの体格は常に変わり続けているからです
体格が変われば、以前の枕が合うはずがありません
子供用の枕は特に注意が必要です
大人と違って体格の変化が大きいので、何年も同じ枕を使い続けるのは危険です
痛みは出づらいですが、確実に体に負担はかかっています
なので、体の成長に合わせた枕を用意することをおすすめします
また、敷物の変化や住んでいる場所が変わった時も、枕が合わないと感じたら調整し直す、もしくは買い換えることが重要です
一度買ったら終わりではなく、適度に寝心地を確認しましょう
おわりに
今回は枕の選び方をご紹介いたしましたが、いかがったでしょうか?
冒頭でもお話ししたように、起きている時間と寝ている時間は影響しあっています
毎日元気に学校や会社に行けるように、自分に合う枕を選んで体に優しい睡眠をとりましょう
睡眠学についてはこちらで勉強しています▼